秩父鉄道三峰口駅の車両公園にあった解体前の保存車両を紹介します!
秩父鉄道車両公園にあった1989年3月から2019年4月まで展示されていた保存車両ですが、今は解体されてもうないですが、私のデジカメデータに残っていたので公開します。
デジカメデータをみていたら、令和のヘッドマークを付けたSLが走るということで、その写真を撮りに行ったついでに何枚か、秩父鉄道車両公園の写真がありましたので公開します。
- 鉄道ファンの方
- 秩父鉄道車両公園を思い出したい方
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秩父鉄道車両公園について
秩父鉄道車両公園は三峰口駅構内にある公園でした。1989年3月に秩父鉄道で活躍した車両を展示していましたが、屋外に展示されていたためか、展示車両の損傷が激しくなりました。
そのため、2019年4月をもって、展示車両をすべて解体し、一番上の写真にあるSLの転車台だけ残した形で、現在は「SL転車台公園」としてSLが方向転換する様子が見られる場所となっています。
クハニ29号(クハニ20形 2軸ボギー制御客車)
公園内に2両だけあった電車の先頭車両のクニハ29号です。
近寄るな危険というぐらいボロボロになっており、屋根はシートで覆われていました。
撮影した時点では立ち入り禁止になっていたのでデジカメの望遠機能で撮りました。
戦後、各鉄道会社では、車両不足に陥り、旧国鉄から譲り受けるケースがありまりました。
クハニ29号も旧国鉄から譲り受けた車両となります。
日本車輌製造で大正11年11月に製造されて、昭和28年4月に東急横浜製作所(現在の総合車両製作所)で改造されました。
秩父鉄道においては、昭和63年9月まで運用されていました。
デキ1号
クニハ29号より、さらに奥に展示されていた電気機関車デキ1号です。
デジカメのズーム機能MAXで撮影しました。(その奥はED381ですが遠すぎて断念)
デキ1号は、大正10年7月にアメリカのウェスチングハウス社で製造され、大正11年4月より運用を開始しました。
昭和27年1月に電源系統の改造を実施、昭和62年12月まで運用されていました。
貨車や緩急車など
撮影した日は電気機関車や電車が展示されているエリアには立ち入りことができなかったのですが、貨車や車掌車が展示されているエリアには立ち入ることができました。
ワキ824(ワキ800形2軸ボギー有蓋貨車)
ワキ824は昭和43年9月に日本車両製造で製造された有蓋(屋根のある)貨車です。
昭和43年9月から昭和63年3月まで袋詰めのセメントを輸送するために使用されていました。
輸送先が東武東上線上板橋、東武伊勢崎線業平橋、上信電鉄南高崎だったそうなので、東武東上線沿線民だった、ぼぶたろうも恐らく子供の頃にみたのでしょうね。
東武東上線の貨物といえば、茶色の電気機関車と最後尾には緑色の車掌車があったことを記憶しています。なお、茶色の電気機関車は東武博物館でみることができます。
スム4023号(スム4000形2軸ボギー有蓋貨車)
スム402号は昭和38年10月に日本車両製造で製造された有蓋(屋根のある)貨車です。
昭和40年9月から袋詰めセメントだけでなく生活物資の輸送にも使用されていました。
その頃、まだ都心と秩父方面をつなぐ西武秩父線が開通しておらず、秩父鉄道が都心への物資輸送のライフラインでしたからね。
そののち、袋詰めセメント輸送の需要がトラック輸送に変わり、この貨車は姿を消しました。
トキ502号(トキ500形2軸ボギー無蓋貨車)
トキ502号は昭和43年9月に日立製作所で製造された無蓋(屋根が無い)貨車です。
秩父地域とれた石灰石を外房線の蘇我まで輸送させるために使用されました。
昭和63年秩父鉄道の貨物線である武甲線が廃止になってから貨車も使用されず、昭和63年にそのまま廃車となりました。
ヨ15号(ヨ10形2軸ボギー緩急車)
ヨ15号は大正14年6月に汽車会社(のちに川崎重工業が吸収合併)で製造されました。
大正14年6月から影森~秩父間の秩父セメント第一工場向けにセメントの原石を輸送していた貨車(オキ)として運用されていました。
そして、昭和43年10月に緩急車(貨物列車の最後部に連結されていて非常時には貨物列車を止める機能がある車両)に改造されました。空気ブレーキと手用ブレーキを装備していました。
車輪が4輪ある緩急車は全国でも珍しい車両でした。代替の緩急車が運用されたことにより、昭和63年3月に廃止されました。
保存車両解体前にあった三峰口駅秩父鉄道車両公園の電車達まとめ
今回は、秩父鉄道三峰口駅構内にあった車両公園に展示されていた車両について紹介しました。
モーダルシフトに伴い貨物列車は次々と廃止もしくは縮小されました。
それでも、秩父鉄道では、現在でも貨物輸送は行っています。過去に活躍した秩父鉄道の車両たちの記憶として見ていただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。